1963年 神戸生まれ。
1986年 甲南女子大学文学部フランス文学科卒業。
1986年 商社に入社。
1991年 人材育成を生業とする現在の会社に転職。
在職中、南山大学人間関係研究センターにおいて、故山口真人教授に師事。人間関係論を学び企業への応用を志す。
近年、サンフランシスコ州立大学心理学部D.マツモト教授に師事し、感情と文化に関する研修の講師認定を得る。
「人生でこんなに辛いことが起こるのか」と、その残酷さに胸をえぐられるような思いをした出来事が、私には二つあります。その一つが阪神・淡路大震災で、もう一つが事故です。
今、思うと、私はこの出来事から大変多くのことを学びました。沢山の黒い石と、それを覆すくらい、多くの輝くような白い石をいただきました。
二つの出来事では、抱えきれないほどの苦悩を、一緒に抱えてくれる人たちの存在がありました。彼らは口々に「何もできないけど」と言いながら、私の話を聴き、一緒に涙を流してくれました。「バイザイン」です。
人生では、苦悩や悲しみがあまりにも重過ぎて、とても一人では抱えきれないときがあります。そんなとき、そばにいて寄り添ってくれる人がいたら、苦悩にある人は、また、生きていくことができるかもしれない。
私は不幸な出来事に遭遇しましたが、私自身は決して不幸ではありませんでした。人間の真実のやさしさ、慈しみの気持ち、誠実さをあふれんばかりにいただきました。逆に、偽善や哀れみ、軽蔑や不誠実にも出会いました。苦悩の真っ只中にいた私には、フランクルの言う「透明なまなざし」が与えられていました。
苦悩の出来事に遭わなければ理解し得なかったであろう真実の支援。そういう寄り添い方ができる人でありたいです。