福井県生まれ。
1979年 金沢大学医療技術短期大学部看護学科 卒業。
1979年 近畿大学医学部附属病院(特別混合病棟)看護師。
1983年 福井県立短期大学 第一看護学科 助手。
1998年 北里大学大学院看護学研究科修士課程(癌看護学専攻)修了(学術博士)
2005年 福井県立大学 看護福祉学部 助教授。
2007年 石川県立看護大学 教授。専門(がん看護・慢性期疾患看護・ターミナルケア)
私は現在、看護大学の教員として看護師の育成、がん看護専門看護師の育成に携わっています。 また、その傍ら、患者の家族への相談としてのボランティア活動も細々と行っております。
多くの看護師は、不治の病にかかった患者さんやその家族が、自分の将来や死への恐怖の中でさまざまな苦悩を抱いている状況を目の当たりにし、彼(彼女)らに医療者はいったい何ができるのかと自問しています。
私がそのような問を抱いていた時期にフランクルの著書に出会い、「これだ!!」と思い、大阪府立大学大学院博士後期課程で山田邦男教授のもとフランクルの研究を始め、そして、ロゴセラピー・ゼミナールに参加することになりました。
不治の病にかかりながらも、そのような病気を受け入れて前を向いて生きている人に出会うと、われわれ医療者はその人から大きな勇気や人間の偉大さを教えられます。しかし、すべての人がそのように強く生きられるわけではなく、多くの人が誰かの支えや助けを必要としています。そのようなとき看護師の「そばに寄り添う」態度、フランクルの言葉で言うならば“bei-sein”がとても大切になります。
しかし、誰かの傍に寄り添うということは簡単なようでとても難しいことです。よかれと思って意識すればするほど、「他者のため」でなく「自分のため」の行動になってしまう危険もあります。複雑化してきた現代医療の中で、看護師の役割はますます重要になってきています。
今後は、フランクルの考えやロゴセラピーの視点から、苦悩する患者さんが自らの力で生きる意味を見いだせる関わりとはどのようなことかを、看護を志す若い人たちに、伝えて行ければと思っております。